
こんな疑問にお答えします。
目次
地震保険とは
地震保険とは、地震での災害による被災者の生活の安定の手助けとなる事を目的とし、国と民間の損害保険会社が共同で運営している制度です。
地震により損壊、噴火により埋没、津波により流失、地震によって発生した火災などによる損害を補償します。
火災保険だけでは、地震が起因となって発生した火災の損害(延焼・拡大も含む)は補償されません。
防災グッズが避難時の備えとして常識となっている様に、経済的な備えとして地震保険に加入する事が常識になりつつあります。
地震保険の特徴
保険料は、どの保険会社で加入しても同じです。
火災保険とセットの為、地震保険のみでは契約が出来ません。
対象の範囲は、居住用建物またはその建物内にある家財です。
基本的には、保険会社が保険金の支払いなどを行いますが、大地震の場合は、政府と保険会社で保険金を負担しています。
保険金が支払われない場合ってどんな時?
地震などの際における紛失または盗難による損害です。
戦争、内乱などによる損害です。
地震などの発生日の翌日から起算して10日経過後に生じた損害です。
控除対象額
払込んだ地震保険料が、その年の契約者の所得から控除されます。
所得税 | 地震保険料の全額(最高50,000円) |
住民税 | 地震保険料の1/2(最高25,000円) |
地震保険に加入するには?
地震保険は、単独では加入できません。火災保険にセットで加入する必要があります。
よって、火災保険はA社、地震保険はB社という加入は出来ません。
加入中の火災保険に地震保険をセットしていない場合、火災保険の保険期間の途中でも地震保険に加入することができます。
地震保険の対象は建物と家財です。建物と家財はそれぞれで加入する必要があります。
建物は、住居のみに使用される建物および併用住宅である必要があります。
家財は、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石などは対象外となります。
地震保険の保険金額の決め方
火災保険の保険金の30%~50%の範囲内である必要があります。
例えば、火災の保険金が3,000万円(建物)の場合は、地震保険の保険金は、900万円~1,500万円で加入する必要があります。
また、地震保険金の限度額は建物が5,000万円まで、家財は1,000万円までです。
マンション等の区分所有建物の場合は、各区分所有者ごとに限度額が適用されます。(2契約以上加入されている場合は保険金額を合算して上記限度額を適用します。)
保険料
保険料は、建物の所在地(都道府県)と建物の構造(木造orコンクリート等)によって決まります。
地震の頻度や、保険金の支払い状況などの状況に応じて、保険料の料率改定があり、満期後の保険料が高くなる事も考えられます。
割引制度
建物の免震・耐震性能に応じて割引制度があります。
Ⅰ.免震建築物割引 50%割引
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく免震建築物である必要があります。
Ⅱ.耐震等級割引 (耐震等級3:50%割引 耐震等級2:30%割引 耐震等級1:10%割引)
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級を有している必要があります。
Ⅲ.耐震診断割引 10%割引
地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法における耐震基準を満たす必要があります。
Ⅳ.建築年割引 10%割引
1981年(昭和56年)6月1日以降に新築されさた建物である必要があります。
割引は重複して適用を受けることはできません。
確認資料の提出が必要となります。
10%の割引を適用する場合は、Ⅳの割引での資料が取り付けがしやすいです。
保険金の支払い
建物・家財に「全損」、「大半損」、「小半損」、「一部損」いずれかの損害が生じたときに保険金が支払われます。
同等のものを新たに取得するのに必要な金額から、使用による消耗分を差し引いた金額のことを時価額といいます
下記の損害と保険金のは、いずれも時価額での評価と支払いになります。
契約日が2017年1月1日以降の場合 | 損害の状況 | 支払われる保険金 | |
建物 | 家財 | 保険金の100% | |
全損 | ①基礎・柱・壁・屋根などの損害額 50%以上 | 損害額 80%以上 | |
②焼失・流失した部分の床面積 70%以上 | |||
大半損 | ①40%~50%未満 | 60%~80%未満 | 保険金の60% |
②50%~70%未満 | |||
小半損 | ①20%~40%未満 | 30%~60%未満 | 保険金の30% |
②20%~50%未満 | |||
一部損 | ① 3%~20%未満 | 10%~30%未満 | 保険金の 5% |
床上浸水or 地盤面から45cm以上の浸水 |
ちなみに、 2016年12月31日以前始期の契約については、全損、半損、一部損の3つの区分で判定されます。
地震等を原因とする地すべり等で危険が生じ、建物全体が居住不能となった場合は、全損と見なされる事もあります。
損害の状況や割合などの判定については、損害保険会社の専門の調査員が訪問し、調査の上で決定されます。
Q&A
Q1.地震で薄型テレビが壊れたり、食器が割れたりした場合、保険金の支払対象になりますか?
A1.一部損にあたらない為、保険金は支払われないでしょう。ただし、事故の状況に応じて個別に判断されますので、とにかく電話してみるべしです。
Q2.地震保険は、なぜ火災保険の保険金額の50%までしか契約できない?
A2.巨大地震が発生した場合でも、保険金の支払いがきちんと行える様にする為と言われています。
Q3.保険会社の調査を待たずに部屋を片付けても大丈夫?
A3.大丈夫です。ただし、片付け前の写真を複数枚撮っておく必要があります。
Q4.保険会社が破綻した場合は・・・どうなる?
A4.損害保険契約者保護機構により、保険金・返戻金の全額が補償される様になります。
Q5.地震直後に地震保険に加入は出来る?(地震保険未加入のケース)
A5.保険会社により異なりますが、地震発生の数日~数週間で加入は出来る事が多いです。保険会社に問い合わせてみましょう。
まとめ
地震保険では、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失によって、保険の対象である建物または家財が損害を受けた場合に保険金が支払われます。
また、保険各社で契約している建物または家財について損害状況を調査し、損害の程度に応じて保険金が支払われます。
保険金は、実際の修理費ではなく、損害の程度により、全損、大半損、小半損、一部損と区切られ、それぞれ100%、60%、30%、5%で支払われます。
地震により被害が発生した場合は、先ずは保険会社へ早急に連絡すること事をおすすめします。電話が繋がりにくい場合は、HPの事故受付を活用するのも良いと思います。
保険会社の支払いに納得がいかない場合は、日本損害保険協会 そんぽADRセンターへ連絡しましょう。
日本に住んでいる以上、地震はいつどこで発生するかは超能力者でない限り分かりません。
その為の保険です。地震保険の加入や更新手続きは忘れずに行う事をおすすめします。