
こんな疑問にお答えします。
学資保険
学資保険とは、こどもの教育費を積み立てする保険の事です。
加入する場合は、こどもが0歳から3歳までには加入しておいた方が良い保険です。
子どもが生まれたからといって加入しなければならない保険ではありません。
個人的には、学資保険に加入すべきではないと考えています。
保障内容
学資保険は、契約者(親)と被保険者(子ども)から構成されます。
通常の生命保険の場合は、被保険者が死亡すると保険金が支払われますが、学資保険の場合は契約者が死亡した時に保険金が支払われます。
また、被保険者が死亡した場合は、それまで支払った保険料の総額が支払われます。
契約者と被保険者が共に、生存していた場合は、毎月支払った保険料の全額を保険金として受け取ることが出来ます。保険会社によっては、保険料の総額に対して利息が付く、保険会社もあります。
契約例
契約者:父親、契約時の年齢が30歳
被保険者:子ども、契約時の年齢が0歳
毎月の保険料:1万円
保険料の払込期間:子どもが17歳まで
保険期間:子どもが18歳まで
保険料の支払い総額:204万円
保険金:205万円
具体例
35歳のときに契約者が交通事故で死亡したとすると、残り12年間の保険料支払いが免除された後に保険金を受け取る事が出来ます。
よって、60万円の保険料の支払い(1万円×12ヶ月×5年間)で、子どもが18歳の時には205万円を受け取ることが出来ます。
学資保険は契約者(親)が死亡した場合でも、子どもの教育費を準備することが出来る保険という事です。
定期預金で積み立てをした場合は、60万円のみしか子どもに残りませんが、学資保険は205万円を残せるので、定期預金で積み立てする事を検討している場合は学資保険も選択肢として考えても良いと思います。
学資保険が選ばれる理由
教育資金の積み立てに学資保険が選ばれる理由は、ズバリ、学資保険の利率が良い時代に加入していた親が祖父母となり、自分の子供が親になった時に当時の感覚で勧めている為です。
出典:ガベージニュース
上記のグラフから読み取れる様に、1990年の定期預金の金利は6%あります。2018年の金利が0.01%ですから、とんでもない金利です。
学資保険などの積み立て型の保険は、銀行の金利などによって利率が変わります。また、学資保険などの保険の場合、銀行の金利よりも利率がさらに高い設定になっていた保険会社がほとんどです。銀行金利よりも低い利率の商品に、わざわざ加入しませんよね?それが答えです。
また、保険の場合は加入した時点での利率が約束されている為、銀行の金利が下がった場合でも、保険の利率が下がる事はありません。1990年の時に、30歳だった方が親となり学資保険に加入し、その子供が2020年で30歳となり、親になっていると考えると、祖父母が学資保険を勧める理由が分かると思います。
しかし、時代は令和です。銀行の金利も低ければ、学資保険の利率も低いのが現状です。
学資保険に加入する事でお金が増える時代ではありません。親から学資保険に加入するように勧められている方も多いと思いますが、当時の利率と比べると天と地の差があります。自分の親が言っていることだからと学資保険に加入するのではなく、学資保険はあくまで1つの選択肢として考えておいた方が良いと思います。
教育資金
学資保険を検討する上で、必ず知っておくべきことは教育費用の推移です。
出典:日本政策金融公庫国民生活事業
上記図より、子ども1人あたりの教育費は、公立の場合でも22年間で1,000万円以上かかります。特に、大学の4年間の費用だけで半分以上が必要となります。
要は、学資保険の加入云々の前に大学費用がかかると想定して、いくらなら毎月積み立てが出来るのかを考え、計算する事が重要です。
また、小中高は公立での進路を考えている場合、小中高の教育費を心配しているレベルの収入だと、学資保険には加入しない方が賢明です。
途中解約をすると、支払った保険料に対して、戻ってくる金額が減るので、銀行で貯蓄した方がまだ良いです。
学資保険の種類
学資保険は、4つの種類に分類されます。
子どもが小学生や中学生、大学入学時 等の節目節目でお金を受け取る
子どもが大学入学時にまとめてお金を受け取る
子どもが大学在学中に分割してお金を受け取る
育英年金タイプ
毎月の保険料(総額の積み立てた金額)にもよりますが、
1.定期預金よりはお金が増えますが、十数年積み立てをして、数千円~数万円しか増えません。
2.1よりはお金が増える。数千円~数万円
3.2よりはお金が増える。数千円~数万円
4.お金が減ります。数十万円
学資保険を利率や返戻率の高さだけで商品を選択する事だけは、絶対にやめた方がいいです。
例えば、18歳で保険金を半分受け取って、残りを22歳の時に受け取るタイプの商品です。
考えにあった学資保険に加入すべきです。学資保険に加入しないのも1つの選択肢です。
学資保険は返戻率(利率)で選ばれがちです。
しかし、この低金利の時代に返戻率は学資保険を選ぶ上で重要ではありません。
※返戻率とは/支払った保険料に対していくら戻ってくるかという事です。
100万円支払い、102万円戻ってくる。この場合、返戻率は102%です。
17年で2万円増えた所でお子さんの進路に影響はあるでしょうか。
返戻率にこだわりすぎないようにしましょう。
保険会社を選ぶポイント
保険会社をどこにするか決める前に、
学資保険を検討する際は、保険料の払い込み期間や保険金の受取り時期を、子どもが進むであろう進路、金銭的に応援できる進路を考えた上で、まずは決めて下さい。
子どもが大学進学することを想定して、学資保険を選ぶ場合は2か3のタイプが良いです。
ただし、大学資金を全額学資保険で準備するとなると月々約5万円の積み立てを17年間しなければなりません。
計算式
大学4年間の費用が1000万円かかると想定すると、1000万円÷17年÷12ヶ月=4.9万円/月
短い期間で貯めようとすると当たり前ですが、月々の積立金額も高くなります。
学資保険は、加入後10年未満に解約する場合は、支払った金額より少なくなって戻ってきます。(元本割れと言います)
積み立ては計画的に。
まとめ
学資保険は必ずしも加入する必要はありません。
お金を増やしたい方には、学資保険は令和のこの低金利時代には、まったく向いていません。
あくまで学資保険は教育費を積み立てる、1つの手段に過ぎません。周りに流されて、学資保険に加入するのはやめましょう。
学資保険に加入する場合は、教育費が○○○万円かかると想定して、毎月の積立金額を決め、いくらなら無理なく積立が出来るかを決めましょう。
学資保険を考える前に、あなた自身の生命保険は子どもが生まれてから確認や見直しを加入中の保険会社以外で行いましたか?
その事の方がはるかに重要です。